美人
美人(びじん、英:beauty)とは、その短命さ故に幻とも思われる、美しい人のことである。主に女性を対象に使われるため、美女とも言われる。
概要[編集 | hide | hide all]
古来から、人の心をひきつけてやまない極めて美しい人の存在が噂されてきた。その人は時には国を傾け、恋する若者を自殺に追いやり、別の若者を画面に釘付けにするなど、殆ど魔術的な領域に達する美しさを持っている程である。
しかしながらそのような人は、極稀に存在するという報告があるとはいえ、確認されたどの事例においても極めて短命であることが知られており、幻なのではないかという説すら存在する。このような、幻とも魔術的とも言われる短命なる美しさを持つ人が、美人なのである。
美人が短命である理由[編集 | hide]
美人は漏れなく短命である。その最大の理由は、美しさを長期的に維持することが極めて困難だからである。20世紀に報告された代表的美女の一人であるオードリー・ヘップバーンでさえ、晩年には美を失ったと評価する声もあったほどである[1]。
美人と呼ばれるほどの魔術的な美しさ、特に「傾国の美女」「絶世の美女」と呼ばれる領域に達する美しさは、食生活のバランスがわずかに乱れて体重が増減するだけでも、容易に失われてしまう。写真や彫刻として記録することを試みても、アングルやライティングなどによって容易にその美しさは損なわれてしまう[2]ため、記録することも極めて困難である。このため、ハリウッドの映像に名を残した女優などの少数の例外を除けば、殆どの美人は記録としても短命に終わる。
更に、たとえ記録として長く保存されることに成功した美人でも、歴史の試練をも超えることは困難である。例えば現代では小野小町はせいぜい姫 (スラング)止まりであろうし、クレオパトラも鼻の高さよりも長さが好まれた時代の美人であったから、現代に通用する保証はない。
人工美人の探求[編集 | hide]
このように、自然状態における美人は極めて短命かつ希少であるため、歴史を通じて人類は人工的な美人を生み出すことに苦心してきた。それはいわば美的な錬金術の試みであり、不老不死や卑金属からの金の合成などにも相当するほど重要な試みでもあった。
古代から人類は髪を染めたり、顔色を調整したりなどの化粧を行ってきた。化粧を行えば、それなりの水準の美女は生み出すことができる。実際各国では、風俗産業を支えるには十分な程度の人工的な美女の大量生産に成功した。しかしながら、化粧は洗ったり汗をかいたり泣いたりすれば落ちてしまうため、ベッドの中で正体が露見するなどの悲劇をも引き起こして来た。
そこで近代以降本格的に発展してきたのが、美容整形である。適当に皮下脂肪と骨格を弄り回せば、どんなブスでも一定の規格水準を満たす美人に様変わりすることから、韓国を始めとする多くの国で、整形による人工的な美貌の獲得が現在に至るまで頻繁に行われている。しかしながら、外科医の好みによる画一的なルックスが濫造される傾向があるため、どうしても一定以上の水準に到達することはない。いわば、コンビニ弁当のような美人であり、かえって本物の美人の価値を高めることに貢献している。
人工美人の限界[編集 | hide]
化粧や整形手術によって人工的に生み出された美人は、確かにそれなりには綺麗であるが、決して天然の美人が持つあの魔術的な魅力を持つことがなく、長寿化と引き換えに美人全体の付加価値の暴落と、少数の天然美人の希少性の強調との役に立っている。
但し、近年はあまりにも人工美人が氾濫しているため、男女とも天然美人を嗅ぎ分ける能力が低下しているだけで、天然美人自体の希少性が本当はそこまで上がっていない可能性も充分に考えられる。
仮想美女[編集 | hide]
人工知能の発達により、生身を持たない仮想美女の合成が可能な時代に突入した。この結果、美貌競争に従来から参戦していた女性のみならず、男性もカコジョなどとして、天然美女がまず持たないであろう水準の美貌を自然に表現することが可能な時代になりつつある[3]。
その支持者は、生身の美女と異なり、付き合っても自由を脅かされないこと、死別リスクがないこと、二次元よりも整形美女よりも自然なタッチに落とし込めること、生身の人間にとって不可逆的な年齢も含め、ほとんどあらゆる属性をコントロールできることを仮想美女の長所として挙げる。